破れ傘と雨雫

アスファルトの上の鏡に映る
くるりくるり回る赤色の傘
暗い曇り空と心の隙間
ぽたりぽたり落ちる小さな雫


君の声と絡みついた言葉が
巡る巡る記憶 止まった頭
こんな場所で一人何を待ってるの?
進む進む時間 聞こえない声

ただ少し君に甘えたくて
わがままだってこと
分かってたはずなのに

今震える手から落ちた昨日が反射する
見えないの
君が居ないなら未来なんて無いから
ひたひたと溜まっていく悲しみに溺れそう
苦しいの
雨宿りの場所も無いまま
一人きり空を見上げた


過去と今を縛りつけた言葉が
止める止める呼吸 薄らぐ景色
酷く痛むだけの空っぽの頭
消える消える世界 見えない姿

今すぐに君に伝えたくて
このまま終わりだって
そんなの信じられないの

ただ震える声で君の名前を呼んでる
届いてよ
もう一度君のそばに行きたいのに
この傘を投げ捨てて
走り出した先さえ幻で
君の腕も掴めないから



雨はやまないの また君に会えるまで。  
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