fateful end

[A]
優しげな声が聞こえた
不安げな私を見つめて
震える指の先は
まだ未来を知るはずもなく

瞳に映る横顔は
余りにも美しすぎて
そっと握った手のひらは
私には暖かすぎて

[B]
距離も測れないまま
なんとなく過ごしてきた
何も振り返らないから
いつの間にかぐちゃぐちゃになっていた

[Sα]
これは「運命」だ、なんて
貴方はいつも笑って言った
その度に私も笑ったの
貴方はそういう人だから
どれだけ大切にされても
どれだけ同じ時間を過ごしても
私は特別じゃない

わかっているつもりだった


[A]
儚げな声が聞こえる
強がった私を見透かして
今になってやっと
貴方を本当に知った

[B]
何も伝えないまま
一人きり 終わりなんて
自分勝手な愛情に
いつの間にか涙が溢れていた

[Sβ]
これは「運命」だ、なんて
貴方はいつも笑って言った
その度に私も笑ったの
気付いてしまわないようにと
それでももう、戻れないから
だから最期も笑顔で飾りましょう

ありがとう
私を 愛してくれて




知らなかったの。
ずっと、愛されていたこと

(補足)
『彼女は確かに僕の運命の人だ。
でも僕は彼女の運命の人じゃない。
そのすれ違いが二人の運命なんだよ、きっと。』
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